肝臓内科

PBC(原発性胆汁性肝硬変
もしくは胆管炎)

肝臓で作られる消化液で脂肪の消化吸収に重要な役割をする 胆汁 のうっ滞(停滞)が原因で肝硬変が生じる病気ですが、このうっ滞の原因は不明とされています。症候性(症状がある)と無症候性に分類され、さらに無症候性の2mg/dl以上の高ビリルビン血症を呈するものとそうでないものに分類されます。

ALP・γGTPの上昇、肝機能異常、膠原病や自己免疫疾患(シェーグレン症候群、橋本病、関節リウマチなど膠原病に代表される自分の免疫が原因となる病気)で肝機能障害がみられる、皮膚掻痒感があるといった症状がある方は可能性があります。

病気の進行はそれぞれで、多くは長い期間の無症候期を経て徐々に進行(緩徐進行形)します。黄疸(体が黄色くなること)を呈することなく食道静脈瘤(食道のコブ)が比較的早期に出現する「門脈圧亢進症型」と、早期に黄疸を呈し、肝不全に至る「黄疸肝不全型」があり、門脈圧亢進型は自己抗体である抗セントロメア抗体の陽性率が高いとの報告があります。

原発性胆汁性肝硬変もしくは胆管炎の治療

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)を投与します。
常用量600mgでは効果不良と判断されることがありますが、ウルソの至適投与量は体重1kgあたり13~15mgで増量ができます。また長期的な改善効果は未だ不明な点がありますが、ベザフィブラート(ベザトール)を追加で投与することもあります。

ウルソ投与の効果判定は欧米では治療開始後1年後が一般的ですが、日本では治療開始3~6か月後というのが一般的です。

原発性胆汁性肝硬変の特殊な病型として、肝機能障害(GPT)が高値を呈する、原発性胆汁性肝硬変-自己免疫性肝炎のオーバーラップ症候群があります。この病気と診断されればステロイド治療の適応になります。

よく見られる肝臓の疾患