
中年女性に多く、抗核抗体を始めとする自己抗体が陽性・慢性的に経過する肝機能障害、血中γグロブリンが高値、ステロイド治療がよく効く。こういった場合は自己免疫性肝炎を考慮することになります。
自己免疫性肝炎の病因は不明ですが、免疫寛容システムの破綻による自己免疫機序の関与が想定されています。また特定の遺伝因子を持つ個体(遺伝要因)に、何らかの誘因(環境要因)が加わると発症すると推定されています。
A型、B型、C型及びE型肝炎ウィル、EBウイルス、麻疹ウィルス、サイトメガロウイルスといったウイルス感染やミノマイシン、イソニアジド、メチルドーパ、インターフェロン、アトルバスタチン、抗TNFα阻害剤といった薬物が誘因となって発症することがあるといわれています。
1999年改訂国際診断基準が発表されましたが、検討項目が多く、日常診療の利便性に欠けるとの批判をうけ、2008年に簡易型国際診断基準が作成されました。
1999年改訂国際診断基準と2008年簡易型国際診断基準との使いわけとして改訂国際診断基準は診断感受性に優れ、自己抗体陽性、IgG高値などの所見が目立たない非典型的症例も拾い上げて診断ができます。
一方、簡易型国際診断基準は自己免疫性肝炎類似疾患と真の自己免疫性肝炎の鑑別に有用ですが、簡易型では非典型症例を見落とす可能性があることを念頭に置く必要があります。
自己免疫性肝炎は自己抗体の出現パターンにより、抗核抗体、抗平滑筋抗体が陽性の1型とLKM-1(抗肝腎ミクロソーム)抗体陽性の2型に分類されます。日本では1型がほとんどで、2型は極めて稀とされています。
